馬が宙返りしたら、それだけでなんだかそれなりにうれしいわけで、目が覚めるとハンガーでつるした洗濯物がどこぞの闇男爵のようでそれなりに恐ろしいわ けで、でも、何とか生きていると思うとありがたいと素直に思わねば申し訳が立たない気がして、お天道様がまぶしいわけですよ、僕友人ができたよ、とか誰か に報告できたらそれはとても幸せだけれど、友達がいない人間が友達がいないことで追い詰められる世界はどうなのかなと思うなあ僕、一人もなかなか素敵だ よ、とひとりごちてみても、ああ、寂しがりのいいわけだとか思われて、いやんなっちゃうなあ、友人がいないことが悪いみたいでなんだか淋しいなあ、淋しい ことだらけですよ、あ、そういえば今日宙返り馬見ましたよ、折り紙で作られたしましまの馬は、なんとも生き生きしてたなあ、生まれたてのほやほやで皆に歓 迎されてたなあ、笑顔笑顔のお出迎え、僕も笑顔の中に混ぜてもらって、馬もそれなりにこれから大変な思いをしたとしても、一瞬を永遠に感じる才能があった ら実に幸せに生きるんだろうなあと思い、鼻水をすすっています、風邪がはやっているようですよ、気をつけてください、そしてダラダラと生きてください、偉 そうに言ってしまっていやだなあ、僕なんだか、眠ります、とにかく眠ります、なんというても眠るのは素敵なことですものね。
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